外科手術

おしっこしたい!けど出ない|犬の子宮腫瘍

おしっこに行きたいけど我慢しなければいけない…

例えば車の中で、会議中などなど

かなり辛いですよね。

 

もしこれが尿道が塞がっていて、ずっと出ないとなれば相当な辛さです。

ゆくゆくは腎臓まで駄目になり、気分も悪くなります。

 

今日はおしっこのでないわんちゃんのお話です。

 

 

この子は普段は食欲旺盛な子でした。

しかしあるとき、トイレに行きたがるけどでない。

膀胱炎かしらと、他院につれていったそうです。

 

おしっこが出ないケースのほとんどは、膀胱炎か尿道の石です。

しかしこの子は違いました。

 

尿検査のためエコーで確認してみると、子宮と膣の所に大きな腫瘍がありました。

どうやらこの腫瘍が尿道を圧迫しておしっこがでないようです。

 

 

尿道にカテーテルを入れて、何とかおしっこは出るようになりましたが、

抜くとすぐに出なくなります。

仕方がないのでカテーテルは入れっぱなしです。

 

腫瘍の内部が壊死しています。

(大きくなりすぎて腐ってきている状態です)

子宮にも膿がたまって来ています。

 

紹介元の病院さんでは手術が難しいとうことで、

当院にご来院されました。

 

現状を確認させてもらうため、レントゲンも撮らせてもらいました。

 

レントゲンでは骨盤の中が腫瘍で、埋められています。

骨盤は骨に囲まれているため、逃げ場がありません。

尿道が折れ曲がったり、つぶれてしまっているようです。

 

これは結構大変です。

 

このままにしておく訳には当然いきません。

手術で切除をします。

しかし場所が場所です。

尿管や尿道、血管などデリケートなものが集まり、

しかも骨盤で術野が確保できません。

 

尿道が癒着してはがれない場合には、

お腹に尿道をつなぐ手術になって、一生おむつ生活になってしまいます。

 

なんとか通常どうりの生活をさせてあげたい。

手術に望みます。

 

お腹を開けてみると

骨盤の中に腫瘍がつまっていて尿道も確認できません。

子宮も膿でパンパンです。

手術の画像が開きます。
苦手な方はクリックしないでください

 

骨盤の一部を一度外して尿道を確認します。

尿道は腫瘍に張り付いていますが、

周りの神経や血管を切らないようにゆっくりゆっくり剥がして行きます。

(神経切ると、尿道が麻痺しておしっこが漏れてしまいます)

ピンセットでよけているのが尿道です。

手術の画像が開きます。
苦手な方はクリックしないでください

なんとかはがれました。

子宮の腫瘍を膣の尿道の出口ぎりぎりで切除します。

 

子宮の腫瘍は卵巣があると再発しやすいので卵巣も切除します。

 

無事に手術はおわりました。

手術後しばらくしてカテーテルを抜きます。

 

おしっこは…

無事にでました!

漏れもないようです。

 

病理検査の結果も平滑筋腫と言う良性の腫瘍でした。

完全に切除できているので再発の心配もなさそうです。

 

手術後はいままでと変わらない生活を送れているそうです。

 

普通にご飯が食べれて、元気にトイレにも行ける

普通の生活がわんちゃんにとっても、飼い主様にとっても一番の幸せなのかも知れません。

 

 はづき動物病院 腫瘍(がん)治療についてはこちら

 

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