外科手術

1時間、1分でも早く|胆嚢粘液嚢腫の破裂

昨日まで元気だったのに、急にぐったりしている。

こんな経験があるかもしれません。

明日まで様子を見ようかな…病院に行こうかな…

迷った時は来てください。

今回は「今」来てくれたから助かったわんちゃんのお話です。

 

今回の子はチワワで、家族に大事に飼われている子です。

中学生のお姉ちゃんも大事にしていて、普段、病院に一緒に来てくれます。

仲良く一緒に成長してきたんでしょうね。

 

他の病気で通院していたのですが、昨日までは元気に過ごしていました。

それが今日になって急に元気がなく、ぐったり…

しかもその日は中学生のお姉ちゃんしかお家にいなかったそうです。

 

状況はピンチです。

 

そんな中、なんとそのお姉ちゃんが勇気を振り絞って病院につれてきてくれました。

 

確かにおかしい。

お腹も痛そうですし、ぐったりしています。

お母さんにもなんとか連絡をとってもらい、お腹のエコーと血液検査をします。

 

血液検査では黄疸、お腹のエコーでは腹水が溜まっています。

腹水をとってみると黄色く細菌も出ています。

 

これは胆嚢の破裂です。

 

胆嚢は肝臓で作った消化液(胆汁)をためておく袋です。

この胆嚢の中に細菌感染を起したり、ゼリーのように胆汁が固まってしまうと胆嚢が破れてしまいます。

消化液ですので、お腹の中に漏れると強い炎症を起します。

破れたらその日に亡くなる事が多い怖い病気です。

 

お母さんにお仕事を早退して、来て頂き状況を説明しました。

すぐに開腹して手術を開始します。

手術画像です。クリックで開きますので苦手な方はご注意ください。

手術画像です。クリックで開きますので苦手な方はご注意ください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お腹をあけてみると、やっぱり…胆嚢に穴が空いています。

胆嚢が破れて手術をすると30%以上の死亡率です。

手術をしないとほぼ100%亡くなる状況なので、祈るような気持ちで手術します。

 

胆嚢は肝臓にしっかり張り付いているので、丁寧に剥がしていきます。

しかもすぐ裏には大血管が走っています。

傷つけないようにとにかく丁寧にです。

 

何とか大きな出血なくとれました。

炎症が強く肝臓にしっかり張り付いていました。

手術画像です。クリックで開きますので苦手な方はご注意ください。

手術画像です。クリックで開きますので苦手な方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

摘出した胆嚢は穴があき、固いゼリー状の物が詰まっていました。

胆嚢粘液嚢腫です。

手術画像です。クリックで開きますので苦手な方はご注意ください。

手術画像です。クリックで開きますので苦手な方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

手術後は1週間入院が必要でしたが、元気に退院してくれました。

 

この子はとにかく早く手術が始められたので助かったと思います。

「1時間でも、1分でも早く」です。

今回の一番の活躍は動物病院に早くつれて来てくれた「お姉ちゃん」に間違いありません。

お姉ちゃんが命を救ったのです。

これからも、このわんちゃんがお姉ちゃんの成長を見守っていくと思うと、熱くなる物があります。

 

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岐阜市柳津町丸野4−17−1  はづき動物病院

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