内科

今のお薬必要?|腎臓病に必要なお薬

わんちゃんも、猫ちゃんも人より早く年を取ります。

年をとると心配なのが、腎臓の機能です。

 

腎数値が上がるのは、腎機能残り25%のとき

当院でも、慢性腎臓病の子は非常に多いんです。

腎臓は75%の機能を失って、初めて腎数値が上がります

ということは数値が上げっていないけど、腎機能が落ちてきた『予備軍』

かなりの数いると思います。

 

うちの子は大丈夫?と不安になられる方も多いと思います。

年をとったら最低「1年に1回は血液検査」を受けてほしいと言うのが私の願いです。

とくにお水を飲む量が多いとか、食欲が落ちているとかは

気をつけなければいけません。

 

「腎臓の数値が高い」…お薬は?

腎臓の数値が高いけど、お薬はどうしたらいいというご相談をよくうけます。

 

意外にも、「薬はいりません」とお答えする事も多いです。

それはなぜでしょうか?

答えは、腎臓を悪化させる原因が今のところないからです。

 

そもそも腎臓病は色々な事が原因でおきてきます。

血圧が高い、先天性の問題がある、結石がある、感染がある、脱水している、免疫疾患があるなどなど

もっといっぱいあります。

 

この原因や要因を(可能な限り)つきとめて治療していくのが腎臓の治療です。

腎臓の数値が高いので薬を飲む訳ではありません。

 

そして検査の結果、腎臓を悪くする原因がみつからないようであれば、

お薬での治療はしません。

この場合お薬を飲んでも、腎臓が悪くなる事は防げませんし、

逆効果で悪くしてしまう事もあります。

腎臓のお薬がいらない猫ちゃん

例えばこの子は13歳のMIXの猫ちゃんです。

特に気になる事はないけれど、

いい年になってきたので血液検査を受けたいとの事です。

結果を見てみると

BUN 39.0 CRE 2.2

どちらも腎臓の数値で、基準の値より少し高いくらいです。

 

なにか数値が高くなる原因はないかとエコー検査や、尿検査、血圧の測定をしました。

どれも正常の範囲です。

脱水症状もありません。

この子はお薬なしで、定期検診となりました。

1年くらいたちますが、ほとんど数値も変わらず元気です。

 

腎臓のお薬が必要な猫ちゃん

もう1人別の12歳の猫ちゃんの紹介です。

この子はお水を飲む量が多いけど、元気は変わりないという子です。

 

血液検査では

BUN 38 CRE 2.5

先ほどの猫ちゃん大きな変わりない数値です。

 

しかし!血圧を測って見ると、

収縮期で205 (猫ちゃんだと160以下が正常です。)

何度か落ち着かせて測ってみても、やはり高い。

 

高血圧が腎臓を悪くしていたようです。

軽い脱水症状もあったので、皮下点滴と血圧をあげるお薬の内服になりました。

 

この子も血圧は落ち着いて、腎臓の数値もまずまず安定しています。

 

 

この2人のねこちゃん、腎臓の数値はほとんど変わりません。

しかし、1人目の子は治療なしで定期検診、

2人目の子は治療が必要です。

 

腎臓のしっかりした治療にはどうしても、

血圧測定や、尿検査などが必要になります。

 

腎臓の病気とうまくおつきあいするには

腎臓病は非常に多い病気です。

また長くおつきあいしていく事の多い病気です。

しっかりと必要なときに必要な治療をする事が大切です。

 

ちょっと大変だけれど、しっかり定期検診をうけてもらう。

そして長生きしてくれればいいなと思います。

 

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岐阜市柳津町丸野4−17−1  はづき動物病院 

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