11.142017
わんちゃんも猫ちゃんも長寿の時代です。
中には20歳を超えるようなご長寿の子もいます。
人間でいえば100歳近いので、大先輩にあたるの訳ですが、
やはり飼い主さんにとってはいつまでも子供です。
不思議ですが、わんちゃん猫ちゃんは何歳になっても子供なんですね。
そんな我が子も、年を取ってくると病気をする事が多くなります。
健康でいてくれるのが何よりですが、
実際にはわんちゃん猫ちゃんとも死因の1位は『がん』です。
人間と変わらないですね。
はづき動物病院では通常の診察の他に、腫瘍を専門に見ています。
腫瘍でのセカンドオピニオンや、他の病院で見放された方もよくご相談にいらっしゃいます。
そんな中で1番多いご相談が
『年だから手術はできません。といわれました』
です。
腫瘍は高齢の子がなるケースが多く、手術をしない方が良い事もあります。
しかし、「手術や治療をうけないとどうなるのか」を具体的に説明してくれる先生は少ないです。
高齢なので腫瘍の手術や治療を,やめようかと考えている方も多いのではないでしょうか?
一度「治療を受けなかったときどうなるか」を考えてみてください。
しっかりイメージしてそれでも治療を受けないのは、立派な選択です。
そうすれば、「あのとき治療を受ければ良かった」と後悔される方が少しでも減ると思います。
年だから治療しない方がいいといわれた子のケースをご紹介します。
苦手な方はお写真は読み飛ばしてくださいね。
(特にゴールデンの子の写真)
○ゴールデンの10歳の女の子
「お腹にしこりがあるが、高齢なので手術せず様子を見ましょう」と他院でいわれた子です。
しこりは3−4ヶ月前に見つけたそうです。
しこりはみるみる大きくなり、内出血したり元気がなくなったりするという事で当院に来院。
細胞の検査で肥満細胞腫という悪性の腫瘍でした。
切除できるならしてあげたいという事で手術しました。
お腹の筋肉にも浸潤していたため、腹壁まで切除する大手術になってしまいました。
腹壁を切除したのでお腹が閉まらないため、医療用のメッシュをあてて縫合しました。
すぐ手術できれば、簡単で負担の少ない手術だったのですが…
○チワワ 12歳 女の子
数ヶ月前に近所の病院に『前腕にしこりがある』という事で行っています。
「年なので治療はしない方がいい」といわれたためステロイドのお薬で様子をみていました。
この子も肥満細胞腫でした。
しかし、徐々に大きくなって来たため、不安になり当院に来院されました。
腫瘍は右の前手の全周に浸潤していたので、腫瘍のみを切除する事はできませんでした。
放射線療法で何度も麻酔をかけたくないという飼い主さんのご希望もあり、
断脚手術になりました。
手術後は元気に歩き回っています。
3本足でもわんちゃんは意外な程走ります。
ただ、もう少し早ければ断脚しなくても摘出できたと思います。
腫瘍には色々なケースがあります。
治療した方は良い場合や、手術をしない方が良い場合ももちろんあります。
すべての子を手術や治療した方が良いとは思いません。
ただ、治せる腫瘍が手遅れになるのは腫瘍科の獣医師としては辛いです。
飼い主様にとって一番ベストな選択をできるお手伝いをする、
それに今までの経験や知識を使えればと思います。
ちょっと熱くなりましたが、私の願いです。
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岐阜県岐阜市柳津町4−17−1 はづき動物病院
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