5.152017
新しいわんちゃんが家にくると、お家の雰囲気が変わりますよね。
やはり、トイプードルなどの小型犬が人気です。
かわいいですもんね。
子犬がだんだん成長していく様子は毎日飽きないです。
そんな子犬が成犬に近づくのが半年くらい、急に後ろ足を着かなくなる子がいます。
いったい何が起きたのでしょうか。
今日は、8ヶ月のトイプードルの後ろ足に起きた「異変」のお話です。
この子はトイプードルの中でもかなり美形です。
家族からも愛されていました。
ここ最近、右の後ろ足を着かないとの事です。
診察室で歩いてもらうと、確かに右足はあげたままです。
触診してみると、後ろの右の筋肉がやせています。
膝のお皿も緩いですが、股関節を押すと痛がります。
若い小型犬では、膝のお皿が緩い子が多いので、
膝が痛いのか、股関節が痛いのかの判断が難しい事も多いです。
レントゲンをとらせてもらいます。
どうやら原因はヒザではなく股関節のようです。
右側の股関節が、逆の左側と比べていびつな形で、
黒っぽく虫が喰ったようにスカスカになっています。
これは「レッグペルテス病」です。
大腿骨頭壊死症とも呼ばれます。
1歳以下の小型犬に起きます。
大腿骨(ふともも)の骨が、骨盤に関節していますが、
骨の端にいく血管がうまく通わず、腐ってしまう病気です。
遺伝や、ホルモン、血管の詰まりなどの説がありますが、はっきりとはしていません。
この子はよくレントゲンを見ると、スカスカになった骨が、成長板で骨折しているようです。
これはかなり痛いです。
治療方法は、手術で壊死した関節(大腿骨頭)を切除します。
残念ながらお薬で治す事は難しい病気です。
この子は後日手術となりました。
摘出した大腿骨頭です。
右下の丸い部分が骨盤に関節します。
骨はもろくで骨折しているので、バラバラになっています。
手術後すぐに痛みは落ち着きます。
そこから、リハビリスタートです。
やせてしまった筋肉を戻すために、屈伸やお散歩を頑張ってもらいます。
1ヶ月後には右足をついてお散歩するようになりました。
筋肉も少しづつもどってきています。
体重の軽いわんちゃんでは、大腿骨頭(股関節)を切除しても、ほぼ問題なく歩く事ができます。
走ったり普通の生活にはほぼ支障なく過ごせる事がほとんどです。
順調な回復が手術後に何よりも嬉しい時です。
1歳くらいまでは反対の足に病気がでないかチェックが必要です。
10-20%程度の子に、反対にも同じ病気が起こってしまうのです。
若い小型犬の歩き方にはよく注意してあげてくださいね。
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