12.152016
リンパ腫という病気をご存知でしょうか。
白血球の一種であるリンパ球が腫瘍化したものです。
リンパ腫はすべて悪性の腫瘍です。
犬にも猫にも、体のどこにでも発生します。
犬では、体の表面のリンパ節(首の付け根や膝の後ろなど)が多数腫れるタイプが多く
猫では、消化管にできる事が多くなっています。
今回は消化管にできた、猫のリンパ腫の治療のお話です。
この猫ちゃんは、「吐き気」で病院にいらっしゃいました。
割と体格もよく、吐き気以外は食欲もあり元気です。
触診してみると
お腹の中に何か触れる…
エコーでお腹の中を確認してみると、小腸にできものがあります。
腫瘍なのか、炎症なのか、確認のために注射針で細胞の検査をしました。
その結果、悪性度の高いリンパ球がでてきました。
「消化器型リンパ腫」です。
リンパ腫は血液の腫瘍であるため、多くの場所に飛び散ります。
そのため外科手術は行わず、抗癌剤の治療を行うことが多い腫瘍です。
リンパ腫は抗癌剤の使い方で治療効果に差がでますので、特に気合いが入ります。
猫の消化器のリンパ腫も、抗癌剤がすごくよく効く子がいます。
今回の猫ちゃんで、抗癌剤を2回投与した後のエコーです。
病変が全く見られなくなりました。
吐き気もなく食欲全開です。
副作用もほとんど出ていません。
腫瘍細胞が少しでも残っていると再発するので、しばらくは抗癌剤は続けていきます。
猫で抗癌剤を終了して、何年も再発せずに過ごしている子がいます。
今回は治療をはじめて間もないですが、
治療後に元気に過ごしている姿をみるのが、治療していて一番よかったと思う瞬間です。
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